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漢方とは中国から伝来した医術や薬術であり、漢方薬は漢方で用いる草根木皮や動物類を原料とした医薬(治療薬)である。
漢方薬専門薬局経営薬剤師の漢方相談業務上の様々な本音を語るブログです。
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2006年07月31日(月)

五月から続く蕁麻疹(じんましん)治療に難航した挙句に医療用の五苓散を出されて猛烈に悪化

 五月から蕁麻疹が続いている中年男性が、皮膚科治療で抗アレルギー剤などで一進一退。
 挙句にステロイド内服も併用するも、一時的な効果に終わり、とうとう七月の終わりになってたんぱく質を摂り過ぎたのか、急に悪化した土曜日。通っている皮膚科は休みなので、親しい内科に行って点滴をしてもらったらやや軽くなった。
 そのときに出されたのが医療用の五苓散(ごれいさん)エキス。二回目までの服用では問題なかったが、三度目を服用した頃から、服用する都度暑く火照り、ますます蕁麻疹が広がってきた。今朝は全身に広がり頭や額にまで出てきたとて、とうとう小生のところに相談にかけつけた。

 随分前に、お嬢さんの寒冷蕁麻疹を当方の漢方薬で治ったことがあったのを思い出したのだという。

 皮膚科の医師には、こんなに治らない蕁麻疹は食事などが原因ではない。精神的なストレスが原因であると断言されているとのことである。
 
 しかしながら、あきらかな湿熱の兆候を呈している舌の状態(黄膩苔)があるのだから、まず茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)が頭に浮かんでもいい筈だ。

 あれだけ医療用を宣伝しているのに、五苓散や小青竜湯ばかりが医療用ではないはずである。五苓散には腎陽を温め経脈を温通する桂皮が入っているので肝胆の湿熱がますます助長して、この人の場合、蕁麻疹がさらに悪化しても悪いのは五苓散ではなく、五苓散を投与するほうの問題である。

 時代の流れか、とうとう漢方専門薬局は医療用漢方誤投与の救済機関となり下がって(成り上がって?)しまったのか?!

 しかしながら、このような現実をブログに書き続けるのは間違っているのだろうか?
 小生の後継者に薬剤師はおらず医師ばかりである。医師である愚息や愚娘にとってはうるさいオヤジが、また余計なことを書いてくれたとはた迷惑かもしれないが、現実にしばしばあることだから、あの世に行く前の置き土産として困った現実を書き残しておくことも、少しは世の中の為になるのではないだろうか?

 比較的安全な漢方薬だからといっても、基礎理論をないがしろにした投与は、病状を却って悪化させることだって珍しくないのである。