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漢方とは中国から伝来した医術や薬術であり、漢方薬は漢方で用いる草根木皮や動物類を原料とした医薬(治療薬)である。
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ホーム > 間違った漢方投与 > 体質によっては桂枝茯苓丸の単独使用は思わぬ弊害をもたらすという現実
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2006年10月19日(木)

体質によっては桂枝茯苓丸の単独使用は思わぬ弊害をもたらすという現実

 またまた医療用漢方(保険漢方)における誤投与問題を取り上げるのは、薬剤師の立場としては些か気が引ける問題だが、誰もが遠慮して口を噤んでいる社会風潮に同調ばかりしてはおれないので、最近遭遇した事例を取り上げる。

 子宮内膜症による激しい生理痛は、いまやありふれた疾患だが、桂枝茯苓丸証があっても、あきらかに気血両虚を伴っている若い女性に、桂枝茯苓丸の医療用エキス製剤が投与され、このために胃痛と体力減退、生理期間の延長と生理量の増加を来たしたために、医療用漢方を断念して当方に相談に来られた方がある。

 傷寒・金匱の方剤のみにこだわれば、確かに桂枝茯苓丸も間違いではないが、明らかに気血両虚をともなっておれば、少なくとも気虚に優れた効能を発揮する補中益気湯レベルの方剤を併用されてもよさそうなものである。
 しかしながら、体質によっては朝鮮人参の峻補に過ぎるきらいがあるので、今回の相談者の場合は人参のかわりに党参使用のものでなければならないはずである。

 ところで、中国古代の古方に拘れば桂枝茯苓丸ということになろうが、中医学・薬学的に考察すれば、延胡索(えんごさく)などの優れた鎮痛効果のある生薬の配合されたものを投与すべきことは常識である。
 それゆえ、本来なら牛膝散(ごしつさん)や折衝飲(せっしょういん)などを主方剤とすべきであるが、保険漢方ではどうも見当たらないようだ?!

 桂枝茯苓丸は確かに優れた方剤ではあるが、攻撃剤の部類に属する方剤であるから、あきらかな気虚や血虚を伴う人に単独投与すれば、覿面にその弊害が出てくるのである。
 それでも漢方に懲りることなく、自費の漢方を求めて当方に訪れてくれたただけでも幸いで、一歩間違えば漢方嫌いの若者を一人増やす結果になりかねなかった事例である。

この記事の続報:牛膝散製剤と補中益気丸(党参入り)で正解だった桂枝茯苓丸の誤投与