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漢方とは中国から伝来した医術や薬術であり、漢方薬は漢方で用いる草根木皮や動物類を原料とした医薬(治療薬)である。
漢方薬専門薬局経営薬剤師の漢方相談業務上の様々な本音を語るブログです。
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2005年09月
テレビを見る暇もない毎日だから、詳しくは知らないが、所属している漢方関係の団体?からの投稿メールを見ての感想である。

大手の医療用漢方製造メーカーさんが、TVや新聞で、漢方のイメージチェンジ運動をされているとか?!

「漢方薬は医者に処方されることが正しい・・・これからの漢方、それは医療用のクスリです」

といった宣伝文句だそうだが、理想としては、まことに正しいし、ご尤もだと同感するものである。

しかしながら、現実は、医師の漢方で、信頼のおける造詣の深い先生方が、どれだけいらっしゃるというのだろうか?

小生の薬局では、患者さん達が、病院で漢方薬をだされたが、一向に効果がない。
病院でも漢方を出すくらいなら、専門家のところへ行くべきだ、と決心して参りました、とおっしゃって、来局される方が、後を絶たない。

もらっていた漢方処方を見ると、漢方専門医となられている先生方でも、本当に専門医さんですか、とお伺いしたいような方剤が出されているので、いつも驚いている。

日本全国には、漢方に造詣の深い医師の先生方がたくさんいらっしゃることは、漢方や中医学の専門雑誌・書籍類で、よく知っている。

ところが、地方都市になると、なかなかそういう先生方がおられるとは思えない。

正直言って、とんでもない方剤を出されているのを目撃することばかりが多く、日本の医療を担う先生方の漢方レベルの底上げが望まれるばかりである。

当方とて、身内に医師が多いので、あまり批判的なことは言いたくはないが、医療用漢方メーカーさんの勧める方剤を単に使用してるだけだ、という医師も多いと聞いている。

実際に身内の医師も、勤務先の病院で、顔を合わせるたびに、補中益気湯を使用するように、勧められているという。

「補中益気湯もう一本運動」でもあるんだろうね、きっと、と笑っていた。

第一、医療用漢方の医師に対するアドバイスが、ほとんど日本漢方というか、西洋医学化漢方というか、五行学説もなければ、弁証論治も無い世界だそうだ。

日本漢方特有の、パターン認識すら、あやしい、といわれる。

ナンなんだろう?
投稿者 薬剤師 30日 21:02 | 漢方専門医
以前投稿したカテゴリ「患者と家族の板ばさみ」の記事を見られた知人の医師に、言われてしまった。

僕等の方が、もっとひどい経験は、再々のことダヨ、っと。

長い闘病期間中には、何の音沙汰も無かった親族が、いよいよの時にやって来て、騒ぎ立てるものだから、身近な家族の方が、何とか止めてくれて、ホッとしたことが最近もあったばかりだが、お互いに疲れきった家族がかばってくれたので、直ぐにおさまったが、一番困難を覚えるのは、やはり、本来はもっと早く会いにやって来ておくべき身近な家族が、いよいよになってやって来て、攻め立てられる時が、一番辛いし、腹も立ってくると言われる。

結局、自分等の不人情を、彼らは医師を攻め立てることによって、これだけ親身に心配している、というポーズをとらざるを得ないのだろう、と皮肉な考えも、持たざるを得ない、という意見では、まったく一致した。

人間って、きれいな部分も、きたない部分も、親族、あるいは家族の生死に関わる時には、本当にモロダシになる、ということか。

いよいよになって、医師を攻め立てる家族、あるいは親族の気持は充分理解出来ない訳ではないが、日頃、見舞いにも来なかったような連中に、いよいよになって騒ぎ立てる人が多いのは、事実のようで、それは当方でも同様のことだった。

いずれにせよ、第一線の医師たちは、それらの困難に落ち込みながらも、不眠不休で頑張っている、という現実は、直視する必要がある。

戦後に、家族制を崩壊させ、何でもどこかの国のマネばかりして来たヒズミが、こんなところに出てきたのかもしれない。
少し遠方のおなじみの患者さん。

中年女性が、急性膀胱炎になった。

いつもなら、常備している猪苓湯製剤が見当たらない。

近くの医院に、「日本東洋医学会認定漢方専門医」を院内に掲示されているのを思い出し、駆け込んだ。

日頃から、補中益気湯系列や葛根湯系列の方剤がよく合っている方。

たまに起こす膀胱炎は、猪苓湯製剤と白花蛇舌草の併用で、すぐによくなることが通例であった。

しかしながら、漢方専門医を標榜される先生は、こともあろうに「竜胆瀉肝湯」と抗生物質を処方された。

後者はよいとして、問題は漢方処方である。

案の定、てきめん体力を失い、食欲不振と同時に、かえって体調を崩した。

無理をして我が薬局に直接やってこられ、いつもの猪苓湯製剤等を購入して帰えられ、直ぐに症状は軽快した。

検査の必要上、再度通院されたその患者さんは、ことの顛末を話したところ、ひどく腹を立てられ、漢方薬はもう出さないから、飲まないでよい、ときついお達し。

プライドが高過ぎるのか、患者さんの苦情もまともに受け入れないお医者様が、まだまだ多い。

漢方専門医とは、一体、どの程度の資格なのだろうか。

漢方薬の基本中の基本、シロウトでも知っている「猪苓湯」すら思い浮かばないのだろうか?

もっと、謙虚であって下されば、ここにこのようなことを書くつもりはなかったのだが・・・・・
投稿者 薬剤師 18日 11:38 | 漢方専門医
ご高齢の方たちが、はじめて漢方治療を求めてやって来られた場合、なかなか継続できない方が多い。

あせられるのである。

その点、50歳代からご縁が出来、長いお付き合いとなったご高齢の方は、たとえ80歳を越えられても、焦られることが少ない。

はじめて、しかも、70歳を越えられて、初めて私の漢方薬局に来られた、というようなご高齢の方に、せっかちな方が多いのである。

最近も、膝関節を悪くして、ご夫婦でやって来られたケースでも、そうだった。

ご病人さんは、80歳を越えるご主人である。

一種類だけの漢方処方15日分で様子をみて頂いたところ、少しいいようだから、もっと効く漢方薬があるだろうから、それに変えてくれ、とおっしゃるのである。

少し調子がいいようなら、わずか15日分でのことだから、同じ漢方薬を、コツコツとされてみては如何ですか、と進言しても、なかなか聞き分けが出来ない。

おしまいには、「何をそんなに焦られるのですか?病院で治らなくなっていたのが、少しでもよくなったら、ヨシとしたもんじゃ~ありませんか」

と強く言う始末だった。

納得して頂くのに往生したが、本日3回目の来訪にして、観念されたようで、しばらくこれで様子をみます、ということで、遠方であるから30日分を持ち帰られた。

このように、最終的には納得されたケースは、まったく珍しいほうで、腹を立てて二度と来られなくなるご老人のほうが、多いのである。

だから、この方も、きっと、2度目の来訪を最後に、二度とやってこられないだろうと確信していたほどだ。

それほど、ご高齢になってはじめてやって来られる方は、ほとんど続くことがない。

同業の漢方薬局さんは、そんなことはないのだろうか?

私のところでは、ご高齢だからといって、特別待遇する訳ではないから、それがアダとなっているのかもしれない。
投稿者 薬剤師 15日 00:42 | ちょっと憂鬱な話
漢方薬の処方名を指定して来られる方は、あとを絶たない。

ほとんどの場合、お断りである。

すでに服用中のものなのか?誰が配合を決めたのか?専門家と相談したのか?

などなど、このような質問を嫌がる方も多いが、シロウト療法だった場合には、問題が発生しやすいので、確かめざるを得ない。

本日あった例では、かなり遠方の所へ、写真まで送って相談したのだという。

それなら、どうしてそこで出してもらわないのだろう。

もしも合わない配合だったら、こちらが困る。

配合を見ると、よほどの名人か、あるいはドシロウトの両極端の、いずれかとしか思えない、寒薬主体の方剤と、温薬主体の方剤の2種類である。

しかも、傷寒論と金匱要略の方剤の構成を考えると、中医学的な弁証論治による配合とも思われない。

結局、

「そこまで熱心に相談されてアドバイスを受けたものなら、たとえ遠方でも、そちらさんで求めて下さい」

ということで、お引取り願った。

礼儀というものがありそうに思うのだが。

つまり、相談に乗って下さった相手の先生に対する礼儀こそ、真っ先に重視してしかるべきものではないのか?

また、その後の経過や、配合調整などのこともあるのに、今後のことをどう考えているのだろう。

こういう人たちに限って、効かなかったり、多少でも副作用的なものが生じれば、直接販売した当方に、強い苦情が舞い込んでくることは、目に見えている。

まったく理解に苦しむばかりだ。
投稿者 薬剤師 12日 16:54 | 漢方処方の指名客
結果的に副作用の濡れ衣を着せられていて、漢方薬類を数ヶ月も中止していて、副作用らしき血液データの異常値は、病院で出されたある薬が原因だったり、病気そのものの進行が原因であったり、さまざまだが、最近も、同様なことがあり、今、落ち込んで、ブログを続ける気にもなれない。

昨日は、気分転換にサーチエンジン登録に言ってみたりしたが、一つ登録したら、よけいに気分が滅入って、やめた。

その数ヶ月の漢方薬類の中止を後悔する患者さんの悲壮なお電話に、こちらの方も気分がひどく滅入ってしまう。

再開したものの、もう効果を発揮しなくなっている。

進行が早すぎる。

放物線を描いて悪化している。

家族に詰め寄られても、漢方薬はそれほど万能ではないのです。

腕が悪いのかもしれないけれど、やはり3ヶ月以上の中断は痛かったと思う。

飲んでも効かないじゃないかと、日頃見向きもしなかった家族の苦情にも、答えることができない。

落ち込むばかりである。
タイトルのケースは、意外に、といおうか、案の定と言おうか、案外多い。

この平成の時代に入ってからも、漢方薬を否定されるお医者様が、まだ、あとを絶たない。

取れない微熱、慢性気管支炎や肝炎・腎炎・糖尿病・高血圧と、病気の問屋さんのように忙しい老婦人は既に80を越えた一人暮らしのしっかりした方である。

15年以上のおつきあいだろうか。

微熱は風邪を引いて以後のことで、相談があったのはかなりこじれてからだった。

かかりつけのお医者様では、治らないので。

従来の漢方薬に加えて、2種類ほどの漢方薬を加えることで、アッサリと治まった。

喜びのあまり、かかりつけ医にも、報告した。

医師は、とたんに顔が険しくなり、漢方薬は止めなさい、血液検査に異常値が常にあるのは、漢方薬が原因かもしれない、と告げられた。

常用していた漢方薬を全面的に中止して3ヶ月、体調がくずれ、微熱も再発した。

おまけに、お医者様が、おかしくなった。

その70代の医師「僕の方が、先に逝くかもしれんね」と、おかしなことを言われだしたと言う。
相当に体調を崩されておられ、廃業するかもしれない、とか。

複雑な心境の老婦人、意を決して、漢方薬を再開した。

現在は、体調もかなり元のレベルにまでは回復して、あの先生の言うことは信用ならない、長年のかかりつけ医が信用できなくなったという。

主治医をかえたのか、そのお医者様のその後はどうなったのか、聞きそびれてしまった。

当方とて、身内に医師が多いだけに、あまり医師の批判を聞きたいとは思わない。
人情として分からぬもないが,それまでは親不孝者の典型の息子や娘達が、親が危篤ともなると、急に親孝行振りを発揮する。

それはそれで、人間の当然の「自然の情」であるから、いいことだと思うし、最もだと思う。

日頃から冷たい家族に、愚痴がないではなかった患者さんは、たまたま合成医薬品に弱かったものだから、難治性疾患はもとより、多くを漢方薬に頼っていた。

だいぶん、体力に自信を失うような状態になった頃には、漢方薬でも「高貴薬」と言われる牛黄や麝香が配合された漢方製剤を多用するようになっていた。

たしかにそれらで、暑い夏も過せたし、弱る体力を維持できていたし。

ところが、寿命というものだろうか・・・・・・。

患者さんには、大変頼りにされて、当方から出す漢方薬を信頼して下っていた。

いったん床に伏せるようになってからは、衰えが早かった。

もともとの肺に関連した難治性疾患には、一般西洋医学治療においてはもとより、漢方医学や中医学においても、高齢とともにどうしようもない部分も生じていた。

そんなところへ、滅多に帰ったことの無い、息子や娘達が帰ってくる。

「何をおたくは、飲ませてるんですか?」

人にものを尋ねるのに、こんな口上があるだろうか?

意外に多いパターンである。

(オマエタチは日頃、親をどうしていたんだ!と、こちらが怒鳴りつけてやりたいくらいだった。)

こちらは患者さんとは最期まで、とてもよい仲でおれたのに、娘や息子達は、自責の念をどこかに転嫁しておかなければ、気がたまらないのであろう。

そんなことは、先刻承知のこちらではあるが、一言(ひとこと)くらい、お世話になりました、くらいあっていいだろう。

こちらは、本心から涙を浮かべてお悔みしているんだぞ、と言いたい気分だった。
先日のこと、

事故以来、入院している老母を見舞って、子供の頃によくお世話になった、内科医のご夫婦がお見舞いに来てくださった。

久しぶりにお会いした先生も、今では医院も廃業して、広い庭いじりに精を出されているとお聞きしていたが、めっきり歳を取られているのに、驚いてしまった。

それはそうだろう。

前にお会いしてから、3年くらいは経つのだろう。

こんな言い方は失礼な話だが、高齢者の方の3年は、考えれば相当な「経時変化」をもたらすものだ。

お帰りするチョットの間をとらえて、奥様が耳打ちされた。

「最近、ボケが少し出てきちゃって、目が離せなくなりましてね~~」

と、その時、ご帰宅の準備に玄関に向かわれたはずの先生が、とんでもない方向に進まれていた。
投稿者 薬剤師 2日 09:05 | ちょっと憂鬱な話