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漢方とは中国から伝来した医術や薬術であり、漢方薬は漢方で用いる草根木皮や動物類を原料とした医薬(治療薬)である。
漢方薬専門薬局経営薬剤師の漢方相談業務上の様々な本音を語るブログです。
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2006年02月
前回の投稿とはまったく逆のケースに遭遇した。

一ヶ月前に、急なめまいと吐き気に襲われ、救急車で運ばれた初老の女性。

諸検査により、180~110の高血圧による症状とて、一週間の入院治療の後、退院後はカルシウム拮抗剤が出され、真面目に服用することで、血圧も安定し、一ヵ月後には主治医の判断で廃薬となった。

ところが、数日も経たないうちにみるみる血圧が上昇し、どうしたことか?当方にやって来られた本日、土曜日の午前中には、200~110である。

牛黄製剤のような高貴薬で急場をしのぎながらも、直ぐに病院で見てもらうべき状態である。

土曜日でもあり、新来の方や常連の方も待たれている混雑した状況での出来事である。

ところが、牛黄製剤のような高貴薬は不要だとわがままを言われるので、それじゃ~なおさら即刻、病院にかけつけるべきだと、主治医がいなくとも必ず診てもらえるからと説得して、電話をお貸しして直接病院に電話をかけてもらう。

やはり、直ぐに受け入れてもらえて、病院へ直行となった。

たまにやってこられる準常連さんとて、半年振りの来局の内容が内容である。

当方にやって来るよりも、即刻、かかりつけの病院に行くべきケースなのであった。
投稿者 薬剤師 25日 16:46 | ちょっと憂鬱な話
コレステロールを下げるスタチン系製剤の副作用調査が公的に始まる。

身近な内科医の話でも、入院患者さんたちにスタチン系製剤を投与している人の血液検査をすると、ほとんどきまってCPK値が正常値を超えてしまうと言っていたが、本格的な調査が始まることでもあるし、その結果が出るのを注視しておく必要がある。

ところで本日のテーマは、連日立て続けに御相談を受けた、降圧剤による明らかな副作用問題である。

まず40代の女性は、たまたまご近所の内科医さんのところで定期健診のつもりで受けた血圧が、下が90代、上が148あったために、降圧剤を投与され、朝1回1錠だが、下がりにくければ2錠に増すようにと、一ヵ月分貰ってきた。

ところが、それまで無症状であったのに次第に頭が重くなり、フラツキ、ムカつきもともなって、血圧は140~90くらいで、それ以上下がらない。

さては、血圧が高いせいかとお医者様の進言通り2錠に増やすべきかと思ったものの、それにしてはその薬を服用し出してから始まった不快症状であるので、当方に相談することにしたというのであった。
(ご相談者のご主人は、西洋医学治療で匙を投げられた某難治性疾患を当方の漢方薬類でほぼ緩解せしめている。)

前後の話しから、不快症状は明らかに降圧剤の副作用とみられる。

ところで、血圧がやや高い原因は類推するまでもなく、ご本人自身に大いに自覚があった。
ある塩味の嗜好品を、それこそ朝から晩までストレス解消的に食べ続けており、それだけに咽喉も渇いてジュース類のがぶ飲みによって、朝はひどい浮腫み顔。

お医者さんにその話をして、血圧のお薬を他のやさしいのに変更してもらうようにアドバイスするも、話を聞いて下さる先生ではないから、当方に相談するのだという。

この苦痛を何とかしてほしいとおっしゃるので、それなら今日限り、塩分の濃い嗜好品を一切止めて、茵蔯蒿湯と猪苓湯の併用で様子をみることとなった。

もちろん副作用が強すぎる降圧剤は中止することとなった。


もうお一人は、60代の女性がメニエール氏症候群に罹り、もともと低血圧であったのが、そのときだけ一時的に上が180あったので、降圧剤が出された。

ところが、回転性めまいなどが治ったあとから頭が重く、ふらつく、だるいといった症状が続くのだが、降圧剤が朝1錠が2錠に増えてからはますますこの症状がひどいのだと言う。

120~60の血圧が持続している。

お医者様によく相談されて減量してもらうべきだと進言するも、そのままでよいと言われるので、悩んでいるのだとおっしゃるのであった。

だから漢方薬で何とかして欲しいという要求である。

このようなケースが一番思案するところで、単にお医者様に相談して調整してもらえば済むような簡単な話だと思うのだが、それ以上、突っ込んだ御相談に乗って下さらないし、患者さん御自身も遠慮されて医師に強くアピールすることも出来ないのであった。
投稿者 薬剤師 15日 23:23 | ちょっと憂鬱な話
たいした症状でもないのに、安易に漢方処方が投与されるのも困った問題である。

眼科治療による点眼と内服を数ヶ月続けても、両眼とも23~24から下がらない。

そこで当方からは、茵蔯五苓散のエキスと粉末を混合して製造された製剤を眼科治療に併用してもらったところ、直ぐに18と19に下がった。

むくみっぽい顔貌は変わらないが、眼科の内服薬は3分の2に減らしてもらえた。

その10日後にはむくみが綺麗に消失していたのでホット一安心、と思った矢先、皮膚科から貰ったという「芍薬甘草湯」を見せるのであった。

理由を聞くと、顔が少し痒いのと、目の下の筋肉がピクピクなるので、皮膚科に行ったら、ステロイド軟膏類とともに、ピクピクに漢方薬を出そうといって二週間分が出たというのである。

眼圧が高いことを申告していても、この通りだという。

もしも、これを貴女が服用すれば、せっかく治まりかけている眼圧も、同時に浮腫も再発する可能性が大きいのだから、安易に服用すべきでないことを告げたのであった。

チョット皮膚が痒い、目の下の筋肉がタマにピクピクすることがある、というこの程度で、各科の開業医さんをハシゴして回るのも考え物である。

参考文献:病院からよく出される漢方薬の使用上の注意!:芍薬甘草湯
投稿者 薬剤師 4日 10:03 | 間違った漢方投与
何十年も漢方専門の仕事をしていると、当然のことながら手柄を立てた経験は枚挙に暇(いとま)がないので、いまさら天狗になって自慢する気にもなれない。

それよりも、いまだに忘れられない役立たずだった苦い思い出ばかりが、折々に思い出されるのであった。

いずれも随分昔のことで、数十年前といった漢方入門当初のことばかりだ。

耳鳴りならぬ頭鳴になやむ初老の男性が、根気良く10日ごとに通われて、病院治療で何をしても無効だから、何とかして欲しいと頑張って下さるが、一向に有効な漢方処方が見出せない。

男性は苦しさのあまり、相当に強い睡眠薬をお医者さんにもらって服用する毎日でもあったが、肝心な頭鳴はひどくなるばかり。

突如、奥様から訃報を聞いたのは間もなくであった。

死因は自殺。

次に、重度の鬱病患者さんをご近所の皆さんが心配されて連れてこられた。

初めての方に今では絶対にしない30日分という大量の煎じ薬をお出しした。

請われるままに利益に頭が行っていた。

処方は「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」だったが、その日のうちに自殺してお亡くなりになった。

当方からお出しした漢方薬は一度も服用しないままだったのが、せめてものこと。

いや、もしも服用して下さっていたら、あるいは自殺を思いとどまってくれていたかも知れない。

ご本人にはお気の毒で申し訳ないことではあったが、この煎じ薬を一度でも服用されてのことだったら、一生涯もっと苦しんでいたかも知れない。

この歳になって、しきりに思い出される。

仕事に疲れてぼんやりしているときに、突然、この方達のことが頭に浮かんで来る。

だから、今度生まれかわったときには、絶対に「医薬関連」の仕事はやるまいと強く決意している。

といいながらも、漢方しかノウがないから・・・・と今生と来世を混同した思考の矛盾を繰り返すばかりだった。

もしかすると、いま、自分自身が鬱病に陥りかけているのかと思ったりもするのだった。
投稿者 薬剤師 3日 01:21 | ちょっと憂鬱な話