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漢方とは中国から伝来した医術や薬術であり、漢方薬は漢方で用いる草根木皮や動物類を原料とした医薬(治療薬)である。
漢方薬専門薬局経営薬剤師の漢方相談業務上の様々な本音を語るブログです。
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2006年04月
御意見や御質問 : 肺細癌のステージ4と去年の年明けに診断されまして、抗がん剤治療と骨に転移があるのは放射線治療をしてきました。

 それとは別にサイコケイシトウとニンジンヨウエイトウを処方されて飲んでいますが、この処方が自分に合っているのか心配です。
 自分自身は身長175センチで体重は100キロありがっちり型で体力はあります。
 冷え性ではありませんがおなかの調子は悪いほうです(下痢気味が多い)

 最近気管支炎みたいな感じが多く強く息を吸うと咳が出やすい感じです。胸やけに似た症状もでています。

お返事メール:拝復

 漢方薬はその人、その人の体質によって適切な方剤を選択しないと、微妙に不愉快な反応を示す場合もあり得ます。

 合成医薬品ほどの強い副作用がでることはほとんどあり得ませんが、不適切であれば、胸焼け程度のことは生じる場合もあり得るものです。

 冷え性ではなく体力があるとみずからおっしゃるくらいの体質であれば、もしかすると現在服用中の柴胡桂枝湯と人参養栄湯の組み合わせは、貴方にとって温め過ぎている可能性もあります。

 第一、朝鮮人参や桂皮という温性の生薬がダブっている為、なおさら温補過剰になってしまう場合もあり得ます。

 温補というのは文字通り、身体を温めて栄養を補うといった意味です。

 なんでも過ぎたるは及ばざるが如しで、きっと放射線などの副作用軽減に朝鮮人参などを含有した人参養栄湯などが有効であるというエビデンス的な言い伝えから貴方にも使用されたものと思いますが、漢方薬というものは病名治療やエビデンスはなかなか通用しないものです。

 文面だけから拝察しますと、上記の理由から、貴方には温補の薬物がやや多過ぎるのかも知れません。

 桂皮や朝鮮人参などそのほかにも配合されている当帰などの温補がやや過剰になると、肺は嬌臓(きょうぞう)=デリケートな臓器ですので、それでなくとも肺細胞ガンゆえに、却って温性の生薬類がやや刺激となって肺熱を誘発することもあり得ないことではないのです。

 といっても、間違った時の合成医薬品ほどの激しい副作用が生じることはないでしょうが、もしも不適切な漢方薬の配合であった場合は、むしろ服用しないほが調子がよいのかな?という微妙なところをご自身が自然に感じる場合が多いものです。

 もしも適切な配合であったら、服用しないよりも服用していたほうが、明らかに、あるいは何となくでも効いてくれているなと感じられることが多いものです。

 温暖な●●地方でもあり、また近年食糧事情や暖房設備の充実した日本においては、過剰な温補剤は、却って肺熱を生じさせる原因にもなっていることもありますので、お近くの漢方専門の医師が見つからなければ、ベテランの漢方専門薬局で、しかも中医学・薬学に堪能な先生に出向かれて直接指導を仰ぐのがよいかもしれません。

 中医学の法則としましては、舌の状態において赤味が強く、舌の苔に黄色が見られる場合は、柴胡桂枝湯と人参養栄湯の配合は明らかに間違い、ピントが大きくずれている証拠となります。

 以上、お送り頂いた文面だけで推測させて頂きましたので、あくまで推測であるということをお含み頂き、上記の舌の状態で判断する方法は、かなり正確な鑑別になるかと思います。

 以上、簡単ながらお返事まで。

漢方薬・漢方専門薬局薬剤師の憂鬱の薬剤師より
某古方派漢方のお医者様から投与されていた漢方処方4~5種類の殆どを中止してもらったところ、即座に顔面紅潮が軽快した若者がいる。

補中益気湯・抑肝散加陳皮半夏・荊芥連翹湯の三つのエキスを主方剤として、不眠に対する甘麦大棗湯、顔面紅潮と痒みがひどいときの頓服として黄連解毒湯というのを五ヶ月連用中であった。(すべて医療用漢方製剤)

黄連解毒湯エキスの頓服以外はすべて中止してもらったところ、速やかに顔面紅潮現象は消退している。

温性の当帰が3方剤で重複し、また同様に辛温発散の川芎も2方剤で重複しているのである。

やや遠慮があってここでは多くをコメントしにくいが、シロウトさんが、たとえば病名と症状で分ると銘打った漢方薬辞典や漢方薬サイトで研究した結果、恣意的にかき集めたような配合である。

クロウトの先生でも、長期間に渡ってこのような誤投与を繰り返される場合もあり得る、ということである。
投稿者 薬剤師 12日 13:21 | 間違った漢方投与
アーチストによる副作用問題の最終結論である。

だから今回は前回の投稿の続きで、ほとんど最終決着となる。

患者さん御本人は、私と相談した末、相当にこちらからも賢く立ち回る方法も伝授したわけだが、

もともとの主治医の開業医の先生に直談判され、黄疸が出ていると思うがどうだろうか、この検査データーも見て欲しいと伝えたところ、

「いや、間違いなく黄疸が出ている。アーチストの副作用だ。しかしながら直ぐに止めるとリバウンド」が恐いので、3分の2に減量することになった。

またアーチストに拘る医師には二度とかからないこととし、今後はもともとの主治医であった開業医先生にずっと診てもらうという結論となった。

事ここに至っては、あまりの強引な後輩医師のやりかたには、ややあきれ果てた様子で、・・・・・・・・・とかなりな愚痴も漏らされている。

黄疸を治療すべく茵蔯蒿湯を渡していたので、白眼の黄疸は速やかに消失した。

この前後の深い話をここに書けば誰もが憤慨することばかりなのだが、あまりに新鮮すぎる不快な内容だけに、もっと時間を置いて、冷静になった将来にとっておきたい。

当方のようにどこにもシガラミのない薬局薬剤師の立場というものは、患者さん達の「駆け込み寺」みたいなところもあって、病院での不祥事や問題点を持参されて深刻な御相談は日常茶飯事である。

今回のことに限らず、不用意で配慮の足りない、これで本当にまともな◎◎といえるのだろうか、と首を傾げざるを得ない事例は数え切れない。

患者さんは素人(しろうと)だからと侮ってはいけない。

世の中のお医者様たちは、超多忙なことは理解できるが、人命に関わるお仕事だけに、頑迷であってはならないと思う。

もっともっと患者さんの遠慮がちな不安や苦情に耳を傾けるべきだ!
投稿者 薬剤師 4日 21:04 | ちょっと憂鬱な話