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漢方とは中国から伝来した医術や薬術であり、漢方薬は漢方で用いる草根木皮や動物類を原料とした医薬(治療薬)である。
漢方薬専門薬局経営薬剤師の漢方相談業務上の様々な本音を語るブログです。
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2007年09月
 最近、身内の消化器内科医も保険漢方の大建中湯をよく使用するとは聞いていたが、ここまできたか大建中湯、とうとうテレビでも宣伝するような事態らしく、指名客までやって来る始末。
 86歳の男性が、テレビで腸が悪いのには大建中湯が良いと言っていたのでと、代理の中年女性が処方の指名である。

 当方では代理での処方指名には応じられないので、そのご老人の主治医に相談すべきこと、大建中湯は保険漢方専門のT社が盛んに各病院に宣伝して回っているので、どこの病院でも置いている可能性が高いので、薬局で求めるよりもそのほうがベターだと説得して販売しなかった。
 お腹を強く温める漢方薬だから、本当に合っているかどうかは、専門的に診断してもらうべきこともアドパイスしたものの、そのような漢方の専門知識を一般の医師が心得ているとは限らないので大いに問題なしとしない。
●昨今、日本国内では漢方の原理・原則を無視した大建中湯の乱用が目立つ、第二の小柴胡湯事件が勃発しなければよいがと強い危惧の念を表明されるR先生。
東亜医学協会発行『漢方の臨床』誌1月号で「新年のことば」特集から抜粋引用)

 とあるように、実際のところ中焦陽虚で陰寒上逆する証候には極めて有用な方剤であるが、内外ともに熱証が主体の体質者が誤って服用すると、朝鮮人参や山椒や乾姜がタップリ配合された方剤であるから、温め過ぎるによる様々な不快症状が出兼ねないので注意が必要だ。

参考文献:痒くなる副作用が目立つ大建中湯エキス製剤の問題点
http://murata-kanpo.seesaa.net/article/38103051.html

 
投稿者 薬剤師 23日 23:13 | 漢方処方の指名客
 仄聞するところによると、病院で多いのは意外に医療関係者という職種の人が最も顕著という話だが、漢方薬の製造メーカーに対するクレーマーで最も目立つのがこれまた意外にも薬剤師、しかもそれが女性薬剤師と相場が決まっているとか?!

 あくまで耳に入ってくる情報だから正確な情報とは限らないが、病院でのクレーマー問題は直接複数の医師から聴いた話であり、漢方業界におけるクレーマー問題は、製薬会社関連の人達から仕入れた話である。

 漢方界ではやはり問題は女性薬剤師であるかっ?!(苦笑)
投稿者 薬剤師 17日 01:19 | ちょっと憂鬱な話
 漢方相談においては、相談を受ける当方の質問の仕方が最も重要ではあるが、同時にご相談者の表現力というか表現意欲、具体的な状況の表現力の問題によって、より早くピントが合うかどうか、いつまでもだらだらとピントが合わずに効果を発揮出来ない場合もある。
 もちろん、当方の実力不足の問題もないではないが、得意分野の一つであるアトピー性皮膚炎においては、極端に服用者の観察意欲と表現意欲の問題に左右されている点は否めない。

 痒みが強く、赤みが出現するのは皆さん共通しているが、どういう状況でそうなるのか? 寒熱の問題、乾燥の問題、浸出液の問題、風呂上りに温まると痒みが出るのか出ないのか? クーラーに対する影響など、当方から提出する質問に客観的および主観的に表現できるかどうか、繰り返し類似した質問を方向を変えて行うことに、その質問に対して真正面から回答してもらわねばならない。

 また、配合変化による反応について、処方の組み合わせ毎の客観的および主観的な体感を敏感に感じ取り、正確な表現を行ってくれる人ほど、早く正確なピントが合いやすい。
 これがどうしても出来ない人では、ただ「痒いカユイ」以外の言葉以外の日本語を知らないオバカサンと判断して、御相談を打ち切らざるを得ない事態も稀には生じることになる。

 それゆえ自ずから、冷静な判断力と表現意欲のある人ばかりを受け入れるという選別を行わざるを得ないので、だからアトピー性皮膚炎に対する改善率は相当高くなるのは当然かもしれないのであった(苦笑)。

 但し、アトピーが一筋縄では行かない証拠に、最初に服用してもらった清熱除湿・滋補肝腎法では非常に寒がってやや悪化傾向が見えるため、益気固表法の玉屏風散を併用してもらうことで急速に改善していたところ、職場に戻った途端に再び発赤・瘙痒・滲出液が再発。
 今度は玉屏風散製剤を廃止し、最初にやや悪化したはずの清熱除湿・滋補肝腎法に戻したところ、再び寛解状態にもどり、比較的良好な経過を辿っている例があるなど、こういう例に限らず状況による適切な臨機応変の配合変化が行えるかどうかは、当方の実力もさることながら、服用者の観察と正確な報告に負うところが大きいのである。

 代表的な実例として⇒ 親子で異なるアトピー性皮膚炎の治療方剤
投稿者 薬剤師 14日 20:00 | ちょっと憂鬱な話
 女性のアトピーの方が男性よりも2倍難しい・・・といっても比較的得意分野だから、真面目に通われて治らなかった人は思い出せない。
 数回で諦めた人、数ヶ月以上の根気が続かなかった男性など、思い出せば、過去には途中で脱落した人はいる。
 でも、9割以上の人は真面目だから、すくなくとも最終的には9割前後の寛解は得られている。

 ともあれ、昨今、このブログも本性を暴露して、漢方と漢方薬の質疑応答集と村田漢方堂薬局の近況報告 の派出所であることがバレバレである。それはともかく本題に入れば・・・・・

 他でもない女性には毎月の生理や排卵日など、男性にはない体調異変が生じるので、漢方薬によるアトピー治療を試みている初期段階では、往々にして排卵日や生理が始まる前になるとアトピーに異変が生じる場合があるので、その都度、漢方処方の配合変化を行う必要が生じるケースが意外に多い。
 一時、清熱作用の強い方剤を中止するなど、折々に男性以上に繊細な配慮が必要である。

 実に複雑怪異な女性たちは、古人が述べたように病気の種類が男性よりも百病多いのである。

 但し断言できることは、アトピー性皮膚炎は美容にも直結しているために、男性よりも女性の方が熱心な傾向にあり、漢方薬の風林火山的な臨機応変の運用 に協力的な人が多いので、結果的には男性よりも女性の方が寛解率が高いのが現実である。
 月曜日の忙しい一日が、あと1時間で終わろうとする夕方。
 夕方前からアトピー性皮膚炎で通われている8ヶ月目の人や4ヶ月目に入っている人など、漢方薬の組み合わせの微調整の相談に乗っている最中に、新しい若い女性のアトピー相談。

 受け付けの女性薬剤師が応対に出たが、お断りするのに相当苦労している気配。終わった後に疲労困憊の様子なので事情を聞くと、よくあるいつものパターン。
 薬を飲むのは好きではないので、直ぐに効く薬が欲しい、パッと効くのがいいのだと主張するのだという。そんなに甘いものではない、到底ご要望にはお応え出来ないからとお断りするのに、このような分からず屋に限って執拗である。

 朝からずっと多忙続きの一日が終わろうとする時になって、このような若い女性の馬鹿頑固には、中年過ぎの身体にはあまりに応えるのである。
 薬局の閉店後、とうとう頭痛を起こして一時寝込んでしまったほど、あまりに多忙な日は骨身に応える時がある。

 真面目に通い続けるアトピー性皮膚炎の重症者は多いのに、軽症の者に限ってワガママの言いたい放題、という傾向があるのは不思議である。
 それもまた決まって分からず屋は女性なんだから、この國はどこか狂っている。
投稿者 薬剤師 3日 21:16 | ちょっと憂鬱な話
性別 : 女性
年齢 : 30歳~39歳
簡単なご住所 : 関西地方
御意見や御質問をどうぞ : 初めてメールいたします。長文になり、まことに申し訳ありません。
 先日、婦人科で子宮筋腫と診断されました。その後、子宮筋腫を数多く手がけた専門医にかかり、筋腫が複数できており、うち二つは6センチ級の大きいものだが、現在は月経過多などの日常生活に差し支える症状がないので、半年に一度、検査をしながらの様子見でもいいし、ただ、小さい筋腫だが妊娠に差し支えがある位置のものがあるので、妊娠を強く望むなら手術を勧める、ということでした。

 その診断自体に不満はなく、手術の方向で考えてはいるのですが、手術を回避する方法をとるよう勧める友人・知人が複数おり、その方法の一つが、いわゆる「冷えとり」…靴下の重ね履きと半身浴…です。「冷えとりで『毒出し』をすれば、筋腫は消える」というものです。
 とりあえず靴下重ね履きと半身浴はしていますが、東洋医学の本を読むと、体質にもいろいろあるとのことで、たしかに、貴ブログにもあるように、画一的に、それがいいことなのかどうか、疑問を抱かないでもありません。

 また、鍼灸関係のウェブサイトを拝見していると、「鍼で子宮筋腫が小さくなった、消失した」としている鍼灸院もあれば、わたしが電話で問い合わせた神戸の鍼灸師さんは、「鍼で子宮筋腫は小さくできません。できるのは、子宮筋腫によって引き起こされる不快な症状を軽減することです」と、おっしゃっていました。

 そこでお尋ねしたいのですが、「中医」は、子宮筋腫に対して、効果があるのでしょうか?
 ・・・・・・病院は「東洋医学科」を設けており、そこで、そのことについて尋ねようと、来週、診察を受けることを考えていますが、貴ブログを拝読すると、「漢方医」と看板を掲げている方でも、よりよい診断ができるとは限らないようで、それも意味があることなのか、迷い始めています。

 長文・乱筆になり、申し訳ありません。
 要は、大きくなってしまった子宮筋腫で、公立病院の東洋医学科を受診することが有用かどうか、ご感想をお聞かせいただけたら…ということです。
 どうぞよろしくお願いいたします。


お返事メール:子宮筋腫に対してその人の体質に的確に応じた漢方処方を配合したり組み合わせたりすれば、有効であることは間違いありません。

 別のブログ 漢方と漢方薬の質疑応答集 にも東海地区の内科医の先生との中医学問答中に何度か記載がありますので、ブログに設置されている検索窓を利用され「子宮筋腫」と打ち込んで検索されれば、4~5つの記事が検出されることと思います。是非、参考になさって下さい。

 ところで、診断された医師のアドバイスで

>小さい筋腫だが妊娠に差し支えがある位置のものがあるので、妊娠を強く望むなら手術を勧める、

 とあるようですが、妊娠の問題があるのなら、診断された医師の勧めにしたがうべきだと思います。漢方薬による治療では不確定要素(不確実性)が付き纏うからです。

 なお、この温暖化が顕著で食料事情が豊かな時代に温め療法を行っておられますが、

却って他の病気になるかもしれない健康法

警告:無謀な温め療法!

 上記にもありますように、その療法こそマユツバかもしれません?!

 なお、お近くの東洋医学科に行かれることは歴史のあるところですので、そこでも診断を仰ぐことは決して無駄ではないと思います。

 以上、取り急ぎお返事まで。


折り返し頂いたメール:さっそくにお返事、どうもありがとうございました。

> ところで、診断された医師のアドバイスで
>
>> 小さい筋腫だが妊娠に差し支えがある位置のものがあるので、
>> 妊娠を強く望むなら手術を勧める、
>
> とあるようですが、妊娠の問題があるのなら、診断された医師の勧め
> にしたがうべきだと思います。漢方薬による治療では不確定要素(不確実性)
> が付き纏うからです。

はい。
 私も、どちらかといえば、手術の方向で考えてはいるのですが、ただ、器官ごとにしか診断・治療できない現代医学に対して、不安もあります。
 筋腫だけをとる手術の場合、再発の可能性が常にあり、そういうことを考えて、筋腫の大きくなりにくい体づくりについて、中医にはどのような診療ができるのか、知りたいと思っています。

> なお、この温暖化が顕著で食料事情が豊かな時代に温め療法を行っておられますが、
>
> http://kanpo.wablog.com/88.html
>
> http://www.yakugaku.info/
>
> 上記にもありますように、その療法こそマユツバかもしれません?!

 「冷え」が万病の元だというわけですから、一旦、そう信じてしまうと、やめるのに勇気が要るわけです(「今以上に筋腫が大きくなったらどうしよう」と…)。

 症状がよくならなければ、やり方が悪い、よくなれば「冷えとり」の
おかげ、ということで、どっちに転んでも、「冷えとり」及び、その信奉者の権威は揺らがないというわけで…。

> なお、お近くの東洋医学科に行かれることは歴史のあるところですので、
> そこでも診断を仰ぐことは決して無駄ではないと思います。

 どうもありがとうございました。
 助かりました。
投稿者 薬剤師 1日 16:46 | 漢方専門医