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漢方とは中国から伝来した医術や薬術であり、漢方薬は漢方で用いる草根木皮や動物類を原料とした医薬(治療薬)である。
漢方薬専門薬局経営薬剤師の漢方相談業務上の様々な本音を語るブログです。
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各漢方処方における使用上の注意

 女性のアトピーの方が男性よりも2倍難しい・・・といっても比較的得意分野だから、真面目に通われて治らなかった人は思い出せない。
 数回で諦めた人、数ヶ月以上の根気が続かなかった男性など、思い出せば、過去には途中で脱落した人はいる。
 でも、9割以上の人は真面目だから、すくなくとも最終的には9割前後の寛解は得られている。

 ともあれ、昨今、このブログも本性を暴露して、漢方と漢方薬の質疑応答集と村田漢方堂薬局の近況報告 の派出所であることがバレバレである。それはともかく本題に入れば・・・・・

 他でもない女性には毎月の生理や排卵日など、男性にはない体調異変が生じるので、漢方薬によるアトピー治療を試みている初期段階では、往々にして排卵日や生理が始まる前になるとアトピーに異変が生じる場合があるので、その都度、漢方処方の配合変化を行う必要が生じるケースが意外に多い。
 一時、清熱作用の強い方剤を中止するなど、折々に男性以上に繊細な配慮が必要である。

 実に複雑怪異な女性たちは、古人が述べたように病気の種類が男性よりも百病多いのである。

 但し断言できることは、アトピー性皮膚炎は美容にも直結しているために、男性よりも女性の方が熱心な傾向にあり、漢方薬の風林火山的な臨機応変の運用 に協力的な人が多いので、結果的には男性よりも女性の方が寛解率が高いのが現実である。
投稿者 薬剤師 2007年9月8日 00:35
御意見や御質問 : 肺細癌のステージ4と去年の年明けに診断されまして、抗がん剤治療と骨に転移があるのは放射線治療をしてきました。

 それとは別にサイコケイシトウとニンジンヨウエイトウを処方されて飲んでいますが、この処方が自分に合っているのか心配です。
 自分自身は身長175センチで体重は100キロありがっちり型で体力はあります。
 冷え性ではありませんがおなかの調子は悪いほうです(下痢気味が多い)

 最近気管支炎みたいな感じが多く強く息を吸うと咳が出やすい感じです。胸やけに似た症状もでています。

お返事メール:拝復

 漢方薬はその人、その人の体質によって適切な方剤を選択しないと、微妙に不愉快な反応を示す場合もあり得ます。

 合成医薬品ほどの強い副作用がでることはほとんどあり得ませんが、不適切であれば、胸焼け程度のことは生じる場合もあり得るものです。

 冷え性ではなく体力があるとみずからおっしゃるくらいの体質であれば、もしかすると現在服用中の柴胡桂枝湯と人参養栄湯の組み合わせは、貴方にとって温め過ぎている可能性もあります。

 第一、朝鮮人参や桂皮という温性の生薬がダブっている為、なおさら温補過剰になってしまう場合もあり得ます。

 温補というのは文字通り、身体を温めて栄養を補うといった意味です。

 なんでも過ぎたるは及ばざるが如しで、きっと放射線などの副作用軽減に朝鮮人参などを含有した人参養栄湯などが有効であるというエビデンス的な言い伝えから貴方にも使用されたものと思いますが、漢方薬というものは病名治療やエビデンスはなかなか通用しないものです。

 文面だけから拝察しますと、上記の理由から、貴方には温補の薬物がやや多過ぎるのかも知れません。

 桂皮や朝鮮人参などそのほかにも配合されている当帰などの温補がやや過剰になると、肺は嬌臓(きょうぞう)=デリケートな臓器ですので、それでなくとも肺細胞ガンゆえに、却って温性の生薬類がやや刺激となって肺熱を誘発することもあり得ないことではないのです。

 といっても、間違った時の合成医薬品ほどの激しい副作用が生じることはないでしょうが、もしも不適切な漢方薬の配合であった場合は、むしろ服用しないほが調子がよいのかな?という微妙なところをご自身が自然に感じる場合が多いものです。

 もしも適切な配合であったら、服用しないよりも服用していたほうが、明らかに、あるいは何となくでも効いてくれているなと感じられることが多いものです。

 温暖な●●地方でもあり、また近年食糧事情や暖房設備の充実した日本においては、過剰な温補剤は、却って肺熱を生じさせる原因にもなっていることもありますので、お近くの漢方専門の医師が見つからなければ、ベテランの漢方専門薬局で、しかも中医学・薬学に堪能な先生に出向かれて直接指導を仰ぐのがよいかもしれません。

 中医学の法則としましては、舌の状態において赤味が強く、舌の苔に黄色が見られる場合は、柴胡桂枝湯と人参養栄湯の配合は明らかに間違い、ピントが大きくずれている証拠となります。

 以上、お送り頂いた文面だけで推測させて頂きましたので、あくまで推測であるということをお含み頂き、上記の舌の状態で判断する方法は、かなり正確な鑑別になるかと思います。

 以上、簡単ながらお返事まで。

漢方薬・漢方専門薬局薬剤師の憂鬱の薬剤師より
投稿者 薬剤師 2006年4月25日 16:27
漢方薬方剤というものは、いわゆる「証」にぴったり合って、気持ちよく効いている場合、すなわち、目的の治療効果を発揮している場合、それを連用することで生じる「副作用」というものは、ほとんどあり得ないことである。

このことは、中医学、漢方医学の長い歴史上、かなり証明し尽くされていると思われるが、ときにやや「効き過ぎ」という場合がないではない。

といっても、その人の証候(一連の症候)に、よく合っている場合には、過度な薬用量をしようしない限りは、やはり問題は生じるどころか、通常、よいことはあっても、不都合なことは無いはずである。

但し、あくまで連用中における客観的な観察は不可欠である。

ただ、合成医薬品のような激しい副作用というのは、ほとんど稀なことであるから、漢方薬の服用を過度に恐れる必要はない。

漢方を販売する側も、利用者側も、お互いの信頼関係を築いており、販売者側、あるいは処方する側に正しい漢方薬の知識と豊富な経験があれば、不安はない。

前回の五苓散についても、証候によく合っている場合には、連用するのが当然であるが、やや例外的な現象に対する注意もある。

ちょうど、本ブログの前回までの経緯を意識して書かれたといわれる、次のブログさん。

漢方専門薬剤師による漢方薬方剤漫遊記

の、次のカテゴリ。

五苓散(5)

この中には、五苓散のみならず、親戚の方剤で、膀胱炎などによく使用される「猪苓湯」に対する注意も書かれている。

要するに、必ず漢方薬を専門とする医師や薬剤師に相談しながら服用すべきで、漢方薬といえども、素人療法は禁物である。

医師や薬剤師だからといって、皆が皆、漢方薬に詳しいわけではないので、むしろ漢方薬使用上の、最大の注意点は、相談する専門家の選択こそ、もっとも注意が必要なことのように思われるのである!
投稿者 薬剤師 2005年10月23日 15:08